100man1oku|サラリーマンが株で100万円を1億円にするブログ

100man1oku|サラリーマンが株で100万円を1億円にするブログ

ZOZO SUIT(ゾゾスーツ)の狙いと実現した際の未来を考えてみた

ZOZO SUIT(ゾゾスーツ)の狙いと実現した際の未来を考えてみた

今週、私の中では久々の衝撃的なニュースが入ってきまして興奮しています。既に周知の通りですがファッションECのZOZOTOWNを展開するスタートトゥデイがZOZOSUIT(ゾゾスーツ)というPBをリリースしました。これはユーザーの採寸データを取るもので、データによるECへの活用が期待されています。

では、この採寸データを取ることに対してどのような狙い(計画)と、データによりどのような未来が想像できるかを考えてみたいと思います。

ユーザー側のメリット

ZOZOSUIT_ゾゾスーツ狙い

ZOZOSUITによるユーザーとスタートトゥデイの関係は基本的にデータ提供とレコメンドで説明がつきます。自分の体のデータを提供することで自分の体型にあった服を提案してくれるというものです。

ZOZOSUIT_ゾゾスーツサイジング

これまでECの課題であり、ユーザー側の不安点でもあった”試着できない”サイジングへの不安”を解決してくれる可能性があります。同時にこれは店舗とECを比較際の優位性の差分でもありました。これまではこの点に関する不安があるユーザーについてはO2O(オンラインtoオフライン、オフラインtoオンライン)などで補完してきました。しかし、このコンセプトはこれを根底から覆す可能性があります。つまりこれが実現すると完全に店舗が不要になる可能性すら出てきました。

一般論としてECサイトは地代賃料や人件費が実店舗のそれと比べて少ないため、価格面でユーザーメリットがあることが多くユーザーはそのメリットを享受できますが、後述する最適在庫や新たなるプレイヤーの参加などでさらにメリットを受けられる可能性があります。

ZOZOTONWへ出店する側のメリット

ではZOZOへ出店・出品する企業側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

一般的にECへの出店者は、こういったモール事業は同業他社との販売手数料やプラットフォーム利用の手数料や送料・ポイントなどによりコストを背負っています。

この手数料ついては優秀な販売員(Amazon・楽天・Yahoo・ZOZO・SHOPLISTなど)をいくらで手に入れるかという考え方ができます。それぞれプラットフォームの利用料は異なります。一番安いのはYahooが0円で一番高いのはおそらくZOZOで3割前後でしょうか。

現時点でも他の会社の販売員(Amazon/楽天/Yahoo)は他の商材との併売で来店客も服だけを買いに来ている訳ではないので、アパレル事業者からするとアパレル商材だけを専売してくれる販売員(ZOZO/SHOPLIST)、来店客もその目的で来店しているという点でも優秀な販売員ですが、これにお客様データを持っているという差別化ポイントが加わります。

ファッションにおける提案力
TOKYO BASE決算説明会資料より

やや定性的かつ実店舗での話となりますが、ZOZOTOWNを活用しているTOKYOBASEの実店舗では優秀な販売員への待遇を厚くしています。つまりこれはファッション分野における販売員の提案力の重要性を示唆しており、ECが実店舗に取って代わるという先ほどの仮説が実現した場合、ZOZOのデータによる提案力というのは大きな武器となるのではないでしょうか。

最適在庫への布石

採寸データを集めることで、ユーザー一人一人の体のデータが集まります。これにより企業側は最適な在庫計画を立案しやすくなると推察できます。単純なサイトを閲覧した性別・年齢やカートに入れている人数×採寸データだけでもかなりの予測が立ちそうです。

これがうまく実現すると実店舗への配送もZOZO経由という物流のゲームチェンジの可能性も出て来ました。店舗とECの在庫の最適化は靴のECで知られるロコンドが取り組んでいることでも有名です。在庫は店舗が抱える大きな課題ということになり、データの蓄積はその課題解決の提案の一つとなりえます。

スタートトゥデイへのメリット

ZOZOへの好影響というのは、高い手数料を維持できるという点。前述の通りプラットフォームの販売手数料というのはヤフーの0円化を皮切りにディスカウント傾向にあります。また競合のSHOPLISTの登場など競争環境は厳しくなっています。

現在はブランディングやファッション分野での圧倒的なポジションでその価値を維持しているZOZOTOWNですが、競合に対して技術・参入障壁を設けられる点が期待できます。

また完璧な採寸データというのはこれまでEC化の難しかった”完全オーダーメイド”という市場を作り出すことができます。一般的に思いつくのはスーツ(背広)のオーダーでしょうか。そういったオーダーニーズにも答えられる可能性があります。

また海外戦略の新しい軸にもなるでしょう。一度海外で失敗しているスタートトゥデイとしてはこの採寸データを元に勝負を仕掛けると思われます。(データで勝負するのか、データに基づいた洋服(PB)で勝負するのかは注視したい)

子会社群への好影響

あまり議論されていませんが、このデータは子会社群への好影響も期待できます。ここでは手短に3点だけ述べておきます。

1.中古2次流通についての明確な差別化
2.VASILYとのシナジー
3.ECマーケティングへの好影響

zozoスーツ子会社への影響
スタートトゥデイ決算説明会資料より

まず、中古の2次流通ですが、古着という一定のポジションがある分野において採寸データというのは皆無です。現在はそれぞれのブランドのデータを調べるか素人採寸するか実際に着てみるという方法しかありませんが、ZOZOで流通した商品の2次流通であればデータが溜まっていますのでその課題を解決できます。

メルカリやフリルといったCから買うというスタイルも定着していますのでその差別化には大きいですね。

次に最近買収したVASILYとのシナジー。
VASILYとのシナジー1
VASILYとのシナジー2
VASILY HP

VASILYが展開するIQON(アイコン)はユーザーが自由に組み合わせてコーディネートを作成。そのコーディネートを気に入ったユーザーがIQON経由で買い物をすると、VASILYに手数料が入るというサービス、「SNAP by IQON」は、人気インスタグラマーのコーディネートに使われているファッションアイテムと同じもの、もしくは似ているものがその場ですぐに購入できるサービスです。

どちらも採寸データが大きく効くというはこれまでの説明通りです。

3つ目は採寸データというのは、受託開発やマーケティングの新しい商材として、アップセル・クロスセルに効くと思います。(これは全体からは軽微でしょうが)

ZOZOスーツの原価はいくらか

これまでいいことばかり記述して来ましたが、スタートトゥデイ側へもリスクはあります。まずスーツの原価が不明です。1着目を無料してバラ撒いているので、仮に1着3,000円(2着目以降のスーツの価格)として600万いるZOZOユーザーにバラ撒くと180億のコスト先行。(まあこれはオーバーでしょうが)

ZOZOSUIT_ゾゾスーツ原価2
スタートトゥデイ決算説明会資料より

すでに2Qで10億程度のコスト先行になっていますのでバラ色の未来ばかり想像するのは危険であると言えるでしょう。一応コストについては2Qの決算説明会のQ&Aで最小限かつ広告宣伝費の圧縮で吸収する話をされておりましたがどうでしょうか。。。まあ実際、今回のバズり方を見ると、どんな広告よりも新規ユーザーを獲得できていそうですが。

ということで私もスーツを予約しました。1月の到着ということで経過を見守りたいと思います。

【eye catching img via ゾゾスーツ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
Return Top